2024年1月20日土曜日

怒りシステムとヘイトシステム



DQ10のバトルで最も特徴的なのは相撲システムである・・・と以前の記事に書きました。今回の記事はその続きです。

DQ10の敵には「怒り」「激怒」という状態が設定されています。怒り状態になると攻撃力が上がり、攻撃の対象が怒った相手に固定されることとなります。集中して狙われるので防御力の弱いキャラが怒り対象となるとピンチですが、逆に相撲システムを利用して怒り対象を守ることで戦闘を有利に運ぶこともできるようになります。




この怒りシステムは「他のオンラインゲームにおけるヘイトシステムをドラクエ用にわかり易くしたシステム」であるとされます(DQ10大辞典)。

ヘイトシステムというのは、各キャラが内部的数値としてヘイト値を持ち、その値が高いキャラクターが敵から狙われやすくなるというものです。詳しい説明は以下のとおりです。

  • 戦闘時に敵モンスターが誰を攻撃するか決定するシステムで、各味方キャラクターにはヘイトと呼ばれる数値が有り、特定の行動をする事でこの数値が溜まっていく。この数値が一番高いキャラクターが攻撃される、という仕組である。
    (中略)
    ヘイト値がどう上がるかの仕組は各ゲームにより異なるが、基本的に回復や強力な攻撃をしていくとヘイト値は貯まり、また敵への挑発を行なうことでヘイト値は溜まっていく。この挑発行為は後述のヘイトコントロールにおいて、重要な役割を果たす。
    (ニコニコ大百科「ヘイト(MMORPG)」より)

一般的に、敵への攻撃や味方の回復、挑発などの行動をとるとヘイト値が貯まりやすくなるゲームが多いでしょう。
ヘイトシステムがあるゲームにおいては所謂「タンク」みたいな役割のキャラがヘイト値を稼いで攻撃を引き受け、その間に他のキャラが敵を攻撃して倒すという流れになりますね。



DQ10には怒りシステムがあり、他のゲームにはヘイトシステムがあります。これらは単にゲーム上のシステムであり特にどちらが優れているとか劣っているということはありません。もちろん私もヘイトシステムのある他のゲームも何度もプレイしたことあります。

そのうえで、私はDQ10の怒りシステムというのを非常に気に入っています。なぜかというと、あれこそ正にリアルなバトルシステムだからですね。




時々SNS上でDQ10の怒りシステムに対する批判を目にします。
「レグナード怒ってるのにパラに押さえ込まれて魔法使いを攻撃できないのアホだろw 目の前のパラ攻撃しろよw」
・・・みたいな揶揄が多いようですね(´・ω・`)

しかしですね。怒り狂って魔法使いを攻撃しようとしてパラに押しとどめられるレグナード・・・あれこそが本当にリアルなバトルなんですよ(´・ω・`)



例えばAさんが自分の悪口を言ってくるBに向かって激怒したとしましょう。AはBに向かって殴りかかりますが、そこにCさんが「待て!落ち着け!」とか言って割って入ったとします。

どんなに怒り狂っていても、普通は仲裁に入ったCをその場で殴り倒したりはしません。その代わりAは怒り対象であるBの方に突進し、Cともみ合いになります。
AはしばらくしてCを振り払うでしょう。しかしその間もBはAに向かって悪口を言い続けています。再び頭に血が上ったAはBに向かって突き進み、またもや割って入ったCともみ合いになる・・・。

どうでしょう。柄の悪い飲み屋とかでは時々見る光景かもしれませんね(´・ω・`)
そして上記のようなA・B・Cのやり取りが正にDQ10の怒りシステムなのです。
すなわちAこそがレグナード、Bが魔法使い、Cがパラディンだということです。

レグナードAは魔法使いBに怒り、パラディンCともみ合いになります。一定時間が経ってターンエンドでパラを振り払いますが、怒り対象のはずの魔法使いはピンピンしたまま攻撃を続けており、カッとなったレグは再びパラともみ合いになります・・・
これがDQ10の怒りおよび相撲のシステムなのです。何というリアルなバトルでしょう!

※DQ10の怒りシステムを分かりやすく現した図


他のゲームのヘイトシステムの場合、ヘイトを集めたタンク役が殴られている間に後ろからチマチマ攻撃されるわけです。こちらもPVEの展開をコントロールするためのゲームのシステムとしては非常に優れたものだとは思います。
でも、バトルのリアルさという点を考えれば、DQ10の怒りと相撲こそが真にリアルなシステムです。それが私がDQ10のバトルが好きな理由ですね!

※ちなみに「ヘイトコントロール」という言葉がありますが、レグナード5では怒り6ターン目にロスアタを入れてから魔法使いが全力で攻撃して再度の怒りを取ってましたね。あれこそが正真正銘のヘイトコントロールです(´・ω・`)




残念なのは、最近のDQ10では怒る敵が少なくなってきたことですね(´・ω・`)

怒りというのは特徴的なシステムではありますが、タゲが固定されることから難易度が低下することにもなります。レグナードも怒らせた方が楽でしたよね。
そのためか、最近の強敵は全然怒らなくなりパラガですら腹を立てません。強敵で最後に怒りがあったのはローガストくらいでしょうか(´・ω・`)


でも怒りシステム+相撲はDQ10の大きな特長だと思いますので、そのあたりを上手く活用できる敵がまた出てくるといいですね!



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